ゲームプログラマーは、ゲームが好きな人にとっては好きなことを仕事にできる職業の一つです。
自分が好きなものを仕事にできるなんて最高ですよね。
ですが、プログラマーの間で「35歳定年説」という言葉がささやかれているのをご存じですか?
後に具体的に解説しますが、長時間労働で体力が持たなかったり新しい技術に追いつけなかったりと、
35歳まで働くには大変な仕事という意味でできた言葉です。
実際、残業で泊まり込みをする話をよく耳にするくらいですから、
プログラマーは本当に大変な仕事なのでしょう。
そんなプログラマーに将来性はあるのか不安に思いませんか?
先に結論を申し上げると、「将来性は大いにある」ということです。
では、なぜ将来性があるのか?また、より将来性のあるプログラマーになるにはどうすればよいのか?
この記事を読めば、他のプログラマーに差をつけ、好条件で仕事を受けやすくなるプログラマーになることができるでしょう。
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目次
そもそもなぜ35歳定年説があるのか
そもそも、なぜ35歳定年説がささやかれるようになったのでしょうか?
理由は、以下の3つです。
- 管理職としてマネジメント業務に移るから
- 体力の限界
- 新しい技術についていけない
プログラマーは、長時間労働で体力勝負のところもありますし、
日々進歩する技術に追いつくために勉強が欠かせないイメージがありますよね。
このため、35歳前後で別の職種・業種に転職する人が多かったことが原因のようです。
これが、35歳定年説が根付いている理由です。
ゲームプログラマーに将来性がある理由
そんな「35歳定年説」は今や昔の話になってきています。
今では35歳以上でもバリバリ働いている人は少なくありません。
労働環境が昔に比べて良くなったことがありますが、以下のような理由も挙げられます。
- 人材不足
- ゲーム市場の拡大に伴いプログラマーの需要が上がった
- キャリアの拡張・転換の選択肢が多彩
一つずつ説明していきます。
人材不足
現在、ゲームプログラマーに限らず、全体的にプログラマーの数が足りていないのが現状です。しかも、その状況は更に悪化すると、経済産業省の調査で分かっています。
2030年までに、IT人材の高齢化、40~80万人規模での人材不足が生じる可能性があるとされています。
IT人材の需要と供給のギャップは2030年に向けてさらに広がるということです。
こうした背景には、ゲーム開発には多くの人員が必要になることや、
需要に伴いゲームタイトルの発売数が増えていること、
開発を担うプログラマーが多く必要となることが原因として挙げられます。
1つのゲームを開発をするのに50名以上のプログラマーが必要になることもあります。
この労働環境に耐えかねて辞めていくなど、プログラマーが定着しないということでしょう。
ゲーム市場の拡大に伴いプログラマーの需要が上がった
プログラマーが足りない一方で、プログラマーの需要は年々増加しています。
なぜなら、ゲーム市場が拡大しているからです。
以下のグラフは、角川アスキー総合研究所が「ファミ通ゲーム白書2021」に掲載した、
世界におけるゲームの市場規模推移を表したものです。
2020年のゲーム市場は、20兆6741億円にもなります。
年によって差があるものの、右肩上がりに成長していることが分かります。
下のグラフは、総務省の調査で、スマートフォン向けのゲーム市場の変動グラフです。
このグラフからは、これからのゲーム市場は更に拡大することが読み取れます。
ゲームの市場規模が増えるということは、プログラマーの需要も増えるということです。
キャリアの拡張・転換の選択肢が多彩
ゲームプログラマーとして実直に働けば、知識と経験がつきます。
この知識と経験を得ることで、ゲームプランナーやゲームクリエイターといった役職に就く土台になります。
そうなると、上流工程の仕事もできる人材になれるでしょう。
そうでなくても、他のプログラミングの言語を学び、ゲーム業界を飛び出し
他のITエンジニアとして働く手もあります。
将来性のあるゲームプログラマーの+αのスキル
プログラマーに将来性がある理由について説明してきました。
この話を聞いて、プログラマーに興味がわいてきた人もいるでしょう。
次は、どのような要素があればより将来性の高いプログラマーになれるかを紹介します。
プログラミングスキル
ゲームプログラマーたるもの、プログラミングスキルが高いことに越したことはありません。
では、どのようなプログラミングスキルがあれば、よりニーズのあるゲームプログラマーになれるのでしょうか?
C言語プログラミング能力認定試験
まずはC言語プログラミング能力認定試験です。
C言語とは、PlayStationやNintendoSwitchなどの家庭用ゲームで主に使われるプログラミング言語です。
このC言語プログラミング能力認定試験は、そのプログラミング言語を使えることを証明する資格で、
これを持っていればゲームプログラマーとして十分活躍できます。
C言語プログラミング能力認定試験は3つの階級に分かれています。
3級、2級、1級とありますが、3級は基礎的な知識になりますが、
2級以上の取得を強くおすすめします。
Unity認定資格試験
次にUnity認定資格試験です。
Unity認定資格試験とは、Unityを使いこなす実力を証明する資格試験のことを言います。
Unityとは、ゲームでよく利用される主要な動きや処理などがあらかじめ組み込まれているソフトウェアのことで、
ゲームエンジンとも言います。
これを使うことで、ゲーム開発を効率的に進めることができるのです。
ゲームエンジンにも色々ありますが、その中でもUnityが広く使われていおり、
Unity認定資格試験は大きく4つの階級があります。
- Unity認定エキスパート
- Unity認定プロフェッショナル
- Unity認定アソシエイト
- Unity認定ユーザー
ユーザーが基礎的な知識で、エキスパートに近づくにつれて専門的な知識を扱う資格になります。
他にも、iPhoneのスマホゲームに使うプログラミング言語はSwiftやObjective-C、
AndroidであればKotlinやJavaなどを使うので、
開発するゲームに合わせて習得する言語は変わってくるでしょう。
ただ、プログラマーは資格を持っていなくてもできる職業です。
資格を持っていなければ必ず仕事ができないというわけではありませんが、
資格を持っていることで、「最低限のその知識を持っている」という証明になります。
ただ、他のプログラマーよりプログラミング言語の知識があるだけで、
一目置かれる存在になれるのは間違いないでしょう。
ゲームAIに関するスキル
ゲームAIとは、人工知能のゲーム版と言えば分かるでしょうか。
ゲームAIが囲碁や将棋の棋士を上回る、なんて話を聞いたことありませんか?
囲碁や将棋だけではなく、色々なゲームに使われています。
一番分かりやすい例を挙げますと、パックマンは人工知能が搭載されているゲームです。
諸説はありますが、最初にゲームAIが使われたゲームはこのパックマンだそうです。
パックマンを追いかけてくるモンスターがいますが、それぞれ、
- パックマンを追いかける
- 頭を使い、先回りするように動く
- 行動が読めない
などと役割が振られているのです。
この役割分担をAIが担っていた、というわけです。
これからAIの技術もますます進歩します。
それに伴い、人工知能の知識やスキル、またそれを扱うためのプログラミングスキルがあれば、
より将来性のあるプログラマーになることができるでしょう。
プログラミング以外のスキル
必要とされるプログラマーになるためには、プログラミングの知識の他にも必要な要素があります。
プログラミングの知識はある方が有利に決まっていますが、
それだけだと、条件のいい求人や役職という土俵の中で他のプログラマーに埋もれてしまいます。
では、プログラミングの知識以外で必要とされるプログラマーの要素とは一体なんでしょうか?
情報収集能力
ゲームにも流行り廃りがあるもの。
流行を抑えてヒット作を作るためには、情報収集能力が欠かせません。
情報収集能力は、ディレクターやプランナーを目指すなら特に必要な能力です。
その時人気のアニメなどがヒントとなり発明されるゲームがあったりします。
また、ITの技術も日々進歩しています。
それについていくために、日々の勉強が大事になってくるでしょう。
以上2つの情報を仕入れる努力を怠らないことが、必要とされるプログラマーの条件と言っても過言ではありません。
ですが、経済産業省の調査によると、
日本のIT人材は他国に比べて「自主的に勉強している」と回答した割合が最も低いという結果が出ています。
自主的に勉強する割合が少ないこと自体は悲しいことですが、
言い換えれば、少し勉強をすれば、他のプログラマーから一目置かれるプログラマーになることができるということです。
これはチャンスと捉えることができます。
セキュリティに関する知識
ゲームを制作するにあたって、機密情報や個人情報の守秘義務は絶対です。
それに物騒な話ですが、サイバー攻撃がないとも言い切れません。
セキュリティが万全なプログラマーの方がクライアントも安心に決まっています。
セキュリティの資格なら、「情報処理安全確保支援士」という資格があります。
難易度は高いですが、この資格は高度な情報セキュリティに関する技能や知識を持っていることが証明される資格なので、
必ずプログラマーの仕事に役に立ちます。
コミュニケーション能力
ゲームプログラマーと言えば、パソコンに向かって一日プログラミングを作成しているというイメージがありますが、
実際はディレクターやプランナーなど、色々な職種の人と仕事をしています。
時にはクライアントと打ち合わせをする、なんてこともあります。
そこでスムーズに仕事ができるよう、
- 円滑に仕事を進める力
- 他人の意見を聞くことができる
- 言っていることを的確に理解する力
- トラブルがあれば周囲と協力して解決する力
などが求められます。
英語力
ゲーム市場は日本だけではなく、世界規模で同じことが言えます。
海外の企業とも連携して仕事をすることも珍しくないようです。
英語圏の会社とやりとりをするのであれば、英語の方がスムーズに話が進みます。
そのため、英語力が必要となることがあるのです。
また、海外発の最新プログラミング技術もあるため、英語ができると、それの理解も格段に速くなります。
英語もできるプログラマーになれば、必要とされる人材になるのは想像できますよね。
TOEICや英会話教室に通って、英語力をあげるのがよいでしょう。
スキルを活かして将来性のある仕事をしよう
今回のまとめです。
- ゲーム市場の拡大
- プログラマーの人手不足
- キャリア拡張が望める
- プログラミングスキル
- ゲームAIに関するスキル
- 情報収集能力
- セキュリティに関する知識
- コミュニケーション能力
- 英語力
以上のスキルを持っていれば、例えば今働いている会社よりさらに待遇のいい会社に転職することもできますし、
海外の企業に転職することもできます。
自分のペースで仕事をしたいのであれば、有能なフリーランスプログラマーとして働くことも可能です。
能力があるだけで、将来性のあるプログラマーになれるだけでなく、
働き方も自分の思い通りにできるなんて素敵だと思いませんか?
今回の記事で紹介したスキルを身に着けて、更に付加価値の高いプログラマーを目指してくださいね。
2年間でプロになる
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