なぜ人を殺してはいけないのか?と聞かれたら何と答えますか。
主人公・久能整(くのうととのう)は、
人を殺すことはいけなくはない。
でもそんなことをわざわざ考えることもない人たちの中で生きているから、今あなたは殺されないですんでいる。
と答える、ちょっと変わった大学生です。
「ミステリと言う勿(なか)れ」は、そんなつもりないのに、物事の本質をあぶりだしてしまう久能整が、ぼんやりとした見た目とはうらはらに鋭い推理で、さまざまな事件を解決に導いてしまうミステリー漫画です。
ミステリーの謎解き的な要素も楽しめるのはもちろん、主人公・整が語る言葉がブスブス突き刺さると話題で、「マンガ大賞」「このマンガがすごい!」にもランクインしています。
思わず深く納得したり、ハッと気づかされたり、自分が思ってる常識・普通・ルールって本当にそうなんだろうか?と改めて考えさせられる漫画なので、ミステリーが好きな人もそうじゃない人もきっと楽しめる作品です。
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目次
作者は「田村由美」先生
田村由美先生は1983年に「オレたちの絶対時間」でデビューしました。
「BASARA」「7SEEDS」で小学館漫画賞を受賞しています。
「ミステリと言う勿れ」は読み切り作品として掲載され、その後連載としてスタートしました。
田村先生本人は、ミステリと言う勿れについて「ミステリはとても好きですが、ミステリなんてとても難しくて描けないので、結局ミステリではないです。でもちょっと事件も起こらなくもない、そして主人公、久能 整(くのう ととのう)があたりかまわずしゃべりまくる話です」と話しています。
長編作品は他に下記のようなものを発表しています。
巴がゆく! | 1987年~1990年 | 別冊少女コミック |
BASARA | 1990年~1998年 | 別冊少女コミック |
7SEEDS | 2001年~2017年 | 別冊少女コミック・月刊フラワーズ |
猫mix幻奇譚とらじ | 2006年~ | 月刊フラワーズ |
イロメン~十人十色~ | 2012年 | Cocohana |
「ミステリと言う勿れ」の見どころは?
登場人物 おしゃべりな大学生・久能整(くのうととのう)
引用サイト:月間Flowers公式サイト
主人公・久能整(くのうととのう)は心理学を学ぶ大学生です。
「僕は常々思ってるんですが・・・」と、事件には関係なさそうなことでも、自分が疑問に思ったこと、気づいたことを淡々としゃべりまくります。
冷静で頭がよく、バツグンの記憶力と観察眼を持った、まさに名探偵の能力を兼ね備えた人物です。
事件現場に足を運ぶことなく、刑事や関係者とのやりとりの中から情報を集め事件を解決する、アガサ・クリスティーの「ミス・マープル」のような安楽椅子探偵タイプですね。
家族や過去など、整の情報は謎に包まれていますが、物語が進むにつれて、徐々に見えてくるかも・・・。
天然パーマのじゃもじゃ頭は、お手入れしないと爆発して手がつけられなくなるので、美容院へは定期的に通っています。
趣味はカレー作り。
何度も読んで確認したくなる、張りめぐらされた伏線
1つの事件の中に、犯人につながるヒントが仕込んであるのはもちろん、事件をまたいで伏線がちりばめられています。
最初は謎解きのドキドキ感を味わって、繰り返し読んで答え合わせをしましょう。
読み返すたびに見落としていた伏線に気づき、ここにあったんだ!と何度読んでも楽しめます。
久しぶりのお気に入り漫画「ミステリと言う勿れ」1〜4巻は手に入った。後は5〜7巻が届くのが楽しみ。届くのを待つ間何度も読み返そうと思う。見落としてた伏線に気付くかも。この冬はワクワクや!
— イカサマ (@ikasama1225) December 7, 2020
田村由美「ミステリと言う勿れ」の面白さをツイートしようと思ったが難しい。怖いけど何度も読みたくなる、ストーリー構成が幾重にも重なっていて重厚感がある、主人公のセリフが独特、伏線が色々ある、オチが意外性がある、などと言ったらこのマンガの凄さがわかるだろうか?#ミステリと言う勿れ
— Nana (@Nana88506138) May 14, 2019
日常にひそむ小さな違和感を鋭く切り込む主人公の言葉
久能整は作品のなかのほとんどの時間、事件とは直接関係ない、常々自分が思っていることについてしゃべり続けます。
整が話すことは読者が抱えてる問題や悩みでもあり、感じている理不尽さや人間関係の難しさでもある、つまり多くの現代人の心の叫びなのではないでしょうか。
だからこそ、ついつい整のおしゃべりに引き込まれてしまうのです。
「お子さんを奥さんの付属物だと考えてないですか」
だから”参加する”とか”手伝う”という言葉が出てくる。
女性が子どもを産んだら変わるのは当然。
ちょっと目を離したら死んでしまう生き物を育ててるのだから。
「どうしていじめられてる方が逃げなきゃならないんでしょう」
日本ではいじめられた子のカウンセリングをしたり、学校から逃げる場を与えようとする。
海外ではいじめている子をカウンセリングして隔離する。
人をいじめなくてはいられないほど病んでるという考え方だから。
グサッとくる人もいるんじゃないですか。
なんとなくおかしいなと思っていたことを整が理路整然と言葉にしてくれると、本当にスカッとします。
ミステリと言う勿れっていう漫画で「もし家にいて子育てと家事をすることが簡単な事ならもっと男性がやりたがるはず。でも実際はそうじゃない。ということは男性にとってはしたくないこと、できないことなんです。なのになんで女性にとって楽なことだと思うんだろう」と主人公が言っててソレなとなった
— あきたか????5m育児中 (@akirra_koro) March 26, 2021
ミステリという勿れ、の久能整くんの
「真実は一つじゃない。」
ってセリフ、コナン君が聞いたらなんて思うんだろ(笑)その後に「真実は人の数だけあるんですよ。でも、事実は一つです。起こったことは」って続くけど
— しま (@shima_shima88) January 17, 2018
「ミステリと言う勿れ」あらすじ
引用サイト:月間Flowers公式サイト |
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ミステリーのようで、ただのミステリーではない。ミステリーじゃないようで、しっかりミステリーでもある。
主人公が語る言葉に、深く納得して思わずひざを打ってしまう人や、読む立場によっては、耳が痛くて目を背けたくなる人もいるでしょう。 ミステリーが好きな人にも、苦手な人にも勧められるミステリー漫画の誕生です。 |
冬のある日、久能整(くのうととのう)がカレーを作っていると、警察が訪ねてくるところから物語は始まります。
高校の同級生で同じ大学に通う寒河江(さがえ)の遺体が、近所の公園で見つかったので、話を聞きたいということでした。
警察によると目撃者がいて、犯行時刻頃、遺体がみつかった公園でもじゃもじゃ天然パーマの人が寒河江と言い争っているところみたという証言があり、見た目の特徴からすぐに整が容疑者として浮かんだというじゃありませんか。
整は人違いだと否定しますが、警察は信じてくれません。
事情聴取されることになった整は、なぜよく知りもしない目撃者が本当のことを言っていて、僕のほうがウソを言っていると思えるのかと問いかけます。
ひこたしかに・・・。テレビドラマとかでも、よくあるパターンだけど、目撃者と容疑者、どちらがウソをついてるかはすぐに判断できないよね。
それでも容疑の晴れない整の事情聴取は続きます。
事情聴取2日目になると、刑事たちの抱えてる問題や状況がわかってきて、おしゃべりが止まらなくなる整なのでした。
妻を気づかってゴミ捨てしてるのに感謝してくれないと言っている若手刑事・(いけもと)には、家じゅうのゴミ集めて、袋を替えて、生ごみの水切ってついでに排水溝掃除して、分別してまとめて捨てるのがゴミ捨て、玄関からゴミ捨て場まで持って行っただけで感謝しろって言われても妻がかわいそうだと説明します。
ひこよくぞ言ってくれました!世の中のゴミ捨てしてると勘違いしてる人たちに読んでほしい!あなたが玄関から運んでるそのゴミ、誰かがまとめてくれてますよ!
事情聴取3日目、池本がゴミ捨てを一からやったら妻に喜ばれたと、整にうれしそう報告にやってくるなど、さながら悩み相談室のようになった取調室に現れたのは、ベテラン刑事(やぶ)でした。
整の指紋がついた凶器の果物ナイフが出たと伝えますが、整は誰かが果物ナイフを持ち出し犯行に使うことも可能ではないかと主張します。
さらに整の部屋を家宅捜索したことろ、寒河江からお金を借りるための借用書が出てきたというのです。
もちろん心当たりがなく不審に思った整は、風呂光に自宅のカギが壊れていなかったか、あるいは大家が誰かに頼まれてカギを開けたことがなかったか確認してもらうと、両方ともなかったと言います。
そこでふと整は1年ほど前に自宅のカギを落として交番に届けてもらったこと、さらに高校時代に寒河江が話していたあることを思い出します。
真犯人はカギを拾った人物、そして寒河江が話していたあることに関係する人物なのではないかと気づくのです。
それはいったい誰なのか・・・ぜひコミックで確認してみてください。
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