ベストセラーや本屋大賞に選ばれる小説というのは、決まって文章力が高いのは周知の事実。
文章力が高ければいい小説を書ける可能性は高くなります。
しかし、そもそも文章力ってなんのことか分からない、という人は多いのではないでしょうか。
文章力が分からないと、文章力が高くなるはずがありません。
文章力が高くないと、たとえ何本自信作を書いても他の人からいい評価を受けられない、なんてことも。
実は、文章力というのは6つの要素によって成り立っているということをご存じですか?
その6つを効率的に鍛えないと、文章力というものは上がりません。
本記事は、文章力を決める6つの要素を解説し、その上で文章力を鍛える方法を紹介します。
文章力を確実に鍛えることができる方法を載せていますので、その通りにトレーニングをしていけば高い文章力を得ることができるでしょう。
小説家を目指していて、これから小説を書き始めるという人には必見の記事です。
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目次
文章力に大事な6つの要素とは
ところで文章力ってなにかしら?
ここをおさえておかないと、効率的に文章力を鍛えることができないから
しっかり理解しておこう。
まずは文章力とは何かを確認しておきましょう。
文章力は以下の要素で構成されます。
- 物語の流れを決める構成力
- 物語の要点を抑えて説明する要約力
- 様々な言葉を引き出し使う語彙力
- 物語の面白さを左右する表現力
- 魅力的な小説を作る発想力
- 誤字脱字を見つけて修正する校正力
人によってはこの他にも文章力を構成する要素があるかもしれませんが、今回はこの6つに絞らせていただきました。
文章力を上達させると言っても、文章力を構成する要素をしっかりと把握して、
自分が足りない部分や成長させたい部分を鍛えることに意味があります。
要素別!文章力の鍛え方
それでは早速、先ほど紹介した6つの要素別に、文章の鍛え方を紹介していきます。
気合を入れて取り掛からなくちゃいけないわね!
そんなに気負う必要はないよ、誰にでもできることを紹介するよ。
1.構成力を鍛える
小説において構成力とは、物語の流れを決めるものです。
これが不十分だと時間軸が前後してしまい、読者が読みづらいものになってしまいます。
もちろん、時間軸が前後の小説家もいますが、伏線回収のためなど意図的に文章を構成しています。
今回はそのようなハイレベルな構成力ではなく、基礎的な構成力のについてです。
構成をしっかり押さえておくことで、スムーズに小説を読んでもらえるでしょう。
そんな構成力の鍛え方は一体どのようなものでしょうか?
1.PREP法で文章を書く練習をする
構成力って、どうやって鍛えればいいか分からないわ。
まずはPREP法を使って文章を書く練習をしようか。
PREP法?
ライターがよく使うPREP法を使って、構成力を鍛える方法があります。
P=結論(Point)
R=理由(Reason)
E=具体例(Example)
P=結論(Point)
以上の頭文字を取ってPREP法と呼びます。
結論→理由→具体例→結論という手順で文章を書くことで、分かりやすい文章を作ることができます。
まずはこの方法を使って、構成を意識しながら文章を書いていくことに慣れましょう。
こうすることで、構成力を養うことができます。
2.三題噺で文章を書いてみる
みなさんは「三題噺(さんだいばなし)」という言葉を聞いたことがありますか?
三題噺とは、3つのキーワードから即興で物語を作ることを言います。
これを用いて、構成力を鍛えましょう。
「林」「洗濯機」「中学校」という言葉を提示された場合、この3つの単語に沿って物語を作らなければなりません。
「林」「洗濯機」「中学校」で物語を作るなんて無謀だわ。
難しいキーワードだからこそ、構成力を鍛えるには持ってこいなんだよ。
物語を作るということで、起承転結を意識するようになります。
また、後に紹介する表現力や発想力を鍛えることができる万能な方法です。
2.要約力を鍛える
続いて要約力の鍛え方を紹介していきます。
要約力とは、物語の要点を抑えて説明できる力のことで、これがあることで回りくどい文章を避けることができます。
伝えたいことがありすぎて、ついつい文章が長くなっちゃうのよね。
要点の中から、更に必要なものを絞り込んで説明できると、
説明上手にもなれるよ。
1.ニュースを色々な方法で要約する
その日にあった出来事を要約することで、要約力を鍛えることができます。
政治の話など、難しい話を要約するトレーニングをするとなおいいでしょう。
また、自分の今日の1日を俳句にまとめるという興味深い方法もあります。
こうすることで、5・7・5という限られた文字数の中に
自分が入れたい言葉を見つける力を養うことができるでしょう。
2.様々なジャンルの入門書を読む
入門書は初心者向けに書かれた本のことで、その分野の知識がない人にも分かりやすいように書かれています。
難しい話や知らないジャンルの入門書を読むことで、言い回しの勉強になります。
3.語彙力を鍛える
語彙力とは、様々な言葉を引き出し使う力のことで、これがあることで表現の幅が広がり、物語を面白くすることができます。
多くの言葉を知っていれば語彙力は高いということかしら?
それもあるけど、使いこなせているかも確認しながら使っていきたいね。
1.分からない言葉を調べながら難しい本を読む
先ほどは入門書を読んで、要約力を養う話をしましたが、
今度は難しい言葉が使われている本を読んで、分からない言葉があれば都度調べるようにします。
先に読み進められないのでじれったいとは思いますが、つまづくたびに辞書で調べれば、新しい言葉を覚えることができます。
その本の理解にも繋がるので、関心を持っている本を読むのがいいでしょう。
2.間違えて使っている言葉はないかを意識しながら本を読む
日本語は、世界の中でも難しい言語として知られています。
実際、日本人でも漢字の読み間違えがあったり、慣用句を間違えて使ったりするケースはたくさんあります。
ただ、日常生活で間違って使ってしまったと自覚する瞬間はなかなかないので、
本を読んで、普段自分が使っている言葉とは違う使い方をされている文章を見たら忘れないようにメモをするといいでしょう。
「気が置けない相手」という言葉も、
「気を遣う相手」と解釈されがちだよね。
違うの?
気を遣う相手は「気が置ける相手」と言われるよ。
日本語は難しいわね。
4.表現力を鍛える
小説の世界観に読者を引き込むためには、表現力は欠かせません。
なぜなら、小説の面白さを左右するからです。
では、どのように表現力を鍛えるのでしょうか?
1.小説を模写する
つまり小説を真似るってことよね?気が引けるわ…。
いいところを吸収する目的で模写をさせてもらうんだよ。
表現力を鍛えるには、小説を模写するのが一番です。
なぜかというと、小説から様々な言い回しを学ぶことができるからです。
小説家の表現力は驚くほどに高いです。
使いこなす文章が奥深いために表現力が豊かになっているわけですが、
自分の表現力を鍛えるには、ここから学ばせてもらわない手はありません。
師匠の技術を見て盗め、なんて昔の言葉がありますが、その表現力も盗んで自分のものにしてしまいましょう。
とはいっても、模写にもやり方というのがあります。
闇雲に模写をするだけでは、効率の良いトレーニングにはなりません。
やり方は次の通りです。
- 模写をしたい小説を3つほど選ぶ
- それを一つずつ模写していく
順番に解説していきます。
1.模写をしたい小説を3つほど選ぶ。
まずは自分が好きな作者の本を選びます。
「この人の書く本が好き」「この言い回しが好き」など、どのような基準で選んでもかまいません。
1つだけではなく、別々の作者の本をそれぞれ1冊ずつ、2~3冊ほど選ぶのがポイントです。
なぜかと言うと、作者一人ひとりの文章の癖が違うからです。
同じ作者の文章から学ぼうとすると、どうしてもその作者の文章に偏ってしまいます。
色々な作者の文章に触れ、様々な言い回しを学ぶようにしましょう。
2.それを一つずつ模写していく
模写をするにあたって、次のことを確認しながら模写をしていきましょう。
- 句読点の打つタイミング
- 改行のタイミング
- 使われている漢字
- 本文とセリフの割合
- 表現の仕方
- 自分が好きな表現
- 段落の分け方
- 使われている接続詞
- 一文の長さ
なぜこの項目を確認しながら模写をするかというと、ここにそれぞれの作者の特徴が出るからです。
例えば、句読点を打つタイミングが違うことで、表現が一味違ったものになります。
「彼が、目を合わせていった」
「彼が目を合わせて、言った」
以上の2つの文章では、それぞれ読者の感じ方が違ってきますよね。
他にも、「難しい」をあえて「むずかしい」と書くなど、
文章中の漢字の使い方によって、小説の雰囲気も変わったものになります。
この項目は作者によって違いがありますので、そこの違いを確認しながら模写をするとよいでしょう。
以上のトレーニングをすることで、オリジナルの表現力を手に入れましょう。
5.発想力を鍛える
小説はなんといっても、その発想力が原点とも言えます。
発想力があれば、魅力的な小説を作ることができるでしょう。
ハリー・ポッターシリーズの小説も、発想力がなかったらできることのなかった小説です。
でも発想力なんて、生まれ持った才能でしょう?鍛えることなんてできるの?
才能も多少関係あると思うけど、後から鍛えることもできるんだよ。
1.時間制限をつけてできるだけアイデアを出してみる
あるテーマを掲げて、それを時間制限つきでアイデアを出していきます。
例えば、「早起きをするにはどうしたら良いか」を1分という時間制限を決めてアイデアを出していくとします。
私は1分間の間で、以下の項目を上げることができました。
- 早寝をする
- 寝る直前にお風呂に入る
- 寝る前にカフェインをとらない
- 太陽の光を浴びるために、あえてカーテンを開けて寝る
- 携帯の電源はオフにしておく
- 寝ている間にヒーリング音楽を流す
この1分間の間で、途中考え込むことがありました。
ですが、「友達に起こしてもらう」「生活リズムを作る」など、他にもアイデアがあります。
この訓練を繰り返すことで、発想力が次第についていくでしょう。
1日1回1分なら誰にでもできるので、是非やってみてください。
2.マインドマップを描いてみる
マインドマップとは、一つのキーワードから連想できることをできる限り書いていくことを言います。
連想、つまり発想力が鍛えられるうってつけの方法です。
自分に関係、関心があるキーワードを選ぶと、発想力のトレーニングにもなるし、
自分の考えを深堀りすることができて一石二鳥ですよ。
6.校正力を鍛える
校正とは、自分が書いた文章の誤字脱字を見つけて修正することです。
出版社を通して小説を出す場合、編集者に構成してもらうことができますが、
ウェブ上にそのまま小説を載せる場合、自分で校正をしなければなりません。
もし誤字脱字だらけの小説だと、読者もうんざりしてしまいます。
また、校正してもらう編集者の手を煩わせることをできるだけ少なくさせることができます。
実は一番苦手な項目だったりする…(笑)
ちゃんと校正のコツも紹介するから、頭に入れておこうね。
1.書いた文章は時間をおいて校正する
書いてすぐ校正すると、多少違和感のあるニュアンスなどを見逃しがちになります。
なぜなら、今の自分のベストを出し切って書いた文章なので、多少校正が甘くなってしまうからです。
ですが、しばらく時間を置くことで冷静になり、自分の書いた文章を第三者目線で見ることが可能です。
そこから校正する文章は、書き終わった直後に気付かなかった修正部分を見つけられます。
補足すると、過去の自分の文章を見直すと、今の自分の文章力が上達していることに気づくでしょう。
文章力を鍛える上で、モチベーションの維持向上にもつながります。
私も自分が書いた過去の記事を読み直すと、その頃より文章力が上がっているように感じてやる気が出ました(笑)
2.句読点の場所の校正も忘れない
校正というと誤字脱字だけだと思っていませんか?
実は、句読点を打つ場所も、校正の上では欠かせない部分になります。
例えば、下の文を見てください。
ここではきものを脱がないでください。
この文からは、2つの意味に捉えることができます。
- 履物をここで脱がないでください。
- 着物はここで脱がないでください。
これは、句読点を付け忘れたことで起こる「ぎなた読み」というものです。
読者がこれを目にすると混乱してしまうので、誤字脱字と合わせて気を付けたいところですね。
3.他の人のブログの文章を校正してみる
失礼を承知で、時には他の人の文章を校正してみると勉強になります。
私はよく記事を読むことがあるのですが、検索表示上位の記事にもたまに誤字があるのです。
見つける力が養われると、自分の文章の校正に役に立ちます。
4.自分の文章を推敲する
校正とは誤字脱字を修正することでしたね。
では推敲とはなにか。
推敲とは、文章をよりよくする作業のことです。
例えば「言う」という言葉一つとっても、似たような意味の言葉はたくさんあります。
伝える、話す、語る、呼ぶ、述べる、物言う…など。
どの言葉を使っても間違いではないのですが、違う言葉を使うと印象が違ってくるものです。
こう考えると、ふさわしい文字を選びながら文章を書くことは、とても奥が深いですね。
まとめ
以上、文章力の鍛え方について紹介してきました。
どれも難しい方法ではないはずなので、今日からでもすぐに始められるトレーニング方法だと思います。
しかし、トレーニングばかりではつまらない、小説も書きたいという人もいるでしょう。
そういう時は、執筆とトレーニングを同時進行で行ってください。
トレーニングを始めてすぐの頃に書いた小説と、しばらくトレーニングをしてから書いた小説とでは、
読み応えが確実に違うのが実感できると思います。
また、成長が分かるように、執筆した小説はしっかり保管しておきましょう。
執筆した小説を見返すと、自分の文章力がどのくらい上達したかが目に見えて分かるはずです。
成長過程で一番大事なのは、自分の成長を実感しながら訓練を積むことです。
自分の成長を感じながら、小説家への夢を目指してくださいね。
2年間でプロになる
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