28年前、北海道の小さな村で起きた毒物による無差別殺人事件で容疑者となったのは駐在所の警察官。その息子である主人公が事件前にタイムスリップし、死刑判決を受けた父の冤罪を晴らそうと奮闘する物語です。
主人公の田村心(たむらしん)は自分が生まれる前の事件で父が逮捕され、死刑が確定して服役中という、重くて暗い過去を背負っています。心の家族は加害者家族として世間から冷たく扱われ、肩身の狭い思いをしてきました。
心は結婚していますが、最大の理解者である妻が出産時に命を落とし、赤ちゃんだけが助かります。我が子が犯罪者の孫として辛い思いをしなくてすむように、心は事件の真相究明を誓います。
事件現場を訪れた心は慰霊碑の前で突然白い霧に包まれてタイムスリップし、事件が起こる半年前にやってきます。事件を未然に防いで過去が変われば未来も変えられるかもしれないと気づいた心は奮闘しますが、果たしてみんなの未来を良い方向に導くことができるのでしょうか。
次々に起こる事件は謎に包まれていて、まるでミステリー小説を読んでいるみたいです。怪しい人物がたくさん登場するので、真犯人を知った時の衝撃、その動機には驚かされるかもしれません。
話が後半に進むにつれて、事件のグロテスクな描写が続きますので苦手な方は注意してください。
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目次
作者は東元俊哉(ひがしもと としや)先生
東元俊哉先生は1981年北海道生まれ。2007年に「東元俊也」名義で『ヤングマガジン』の「ゼロガク」で初連載。
「東元俊也」名義では「破道の門」「湘南レスキュー部」「バウンスアウト」「バタフライ」などを発表後、名義を「東元俊哉」に変えたのち2017年~2019年に『モーニング』(講談社)で「テセウスの船」を連載しています。
現在は『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で「プラタナスの実」を連載中です。
テセウスの船の口コミは?
引用サイト:講談社モーニング公式サイト
「テセウスの船」の口コミを調べてみると「とにかくストーリーが面白くて一気に引き込まれる!」が圧倒的でした。
面白くて一気に読める!
テセウスの船っていうサスペンス漫画読んでたら面白すぎて4時間で10巻全部読んでもて、、
朝ランまで起きるわ— たち (@tatachi_rikA09) February 28, 2021
テセウスの船の漫画読んだ…面白かった…綺麗に終わった…ハラハラドキドキ展開で深夜一人でハァハァ言いながら読み終わりました。読み終わった後の満足感が凄い…こんなに面白い漫画を今まで知らなかったのも凄い…読めて良かった…犯人わかってからも、ダレる事なく最高だった…気持ちよく寝れます????
— 82%ミンツ (@82mnt) April 10, 2020
テセウスの船7〜10巻をようやくゲットしたので一気読みして最終巻で号泣…はー、ひさびさに面白い漫画だった…
— 真澄アキヒロ (@msmakhr) May 16, 2020
絵が上手いし、伏線も回収されて話がまとまっている
テセウスの船最終巻読んだ。良かった良かった。すごく綺麗にまとまってたと思う。とても面白い漫画でした!別のコミックに挟んであった新刊紹介のペーパーで、あらすじに興味沸いて試し読みもせずに買ったけど、こうやってふっと買って読み続けた漫画が当たってた時って嬉しいよねぇ。
— コメんぬ (@comen_nu) January 2, 2020
テセウスの船、すごく面白い
良い漫画、絵が上手いし構成が練ってあるし、魔法も不思議美少女も出てこないのに先が気になって仕方ない
こういうもの読みたかったから嬉しい— ♥︎୨୧⑅*.せいら୨୧ *⑅❤︎·̩͙ (@seilaayakura1) January 4, 2020
テセウスの船 原作漫画は犯人も動機も終始一貫しててぶれずに伏線も上手く回収してて面白かったけどなぁ。
— mayo (@mayo_tp01) March 22, 2020
テセウスの船の登場人物は?
田村心(たむらしん)
引用サイト:講談社モーニング公式サイト
主人公の27歳の青年。事件のあとに生まれたので父には一度も会ったことはなく、母の旧姓の田村を名乗っている。母からは「お父さんは犯罪者なの だから私たちは人様の前で笑顔や涙を見せられる立場じゃないからね」と聞いて育ち、事件のことが周囲にばれないか警戒しながら暮らしてきた。
教員免許を取得しているものの、犯罪者の息子じゃ無理と教師になる夢は諦めていた。妻の由紀に冤罪の可能性があると指摘されて、初めて父の事件に向き合おうと決意する。
タイムスリップして自分の実家である「佐野家」で暮らすことになるが、そこで初めて父の人柄を知り、今とは全く違う明るい家族に衝撃を受ける。
佐野文吾(さのぶんご)
(画像右)
引用サイト:講談社モーニング公式サイト
音臼村(おとうすむら)の駐在所に勤務する、村で唯一の警察官。正義感にあふれていて仕事にも熱心、誰よりも村の平穏を願っている。家族のことが大好きで、冗談を言ってふざけたり、明るくサービス精神が豊かな人だった。
1989年に毒物による無差別殺人事件の容疑者として逮捕され、最高裁で死刑判決が確定する。犯行に使われた青酸カリが自宅から発見されたため、本人は無罪を訴えたものの逮捕された。
現在も刑務所に服役中だが、心は生まれてから一度も会ったことがなかったため、タイムスリップするまで文吾の人柄を知ることがなかった。
佐野和子(さのかずこ)
佐野文吾の妻で、心の母親。事件後は子供たちを守るために離婚し、旧姓の田村を名乗っている。明るくて優しくてたくましい母で文吾とはよく喧嘩するものの仲の良い夫婦だった。
事件後は女手一つで子供たちを守るため、毎日寝ずに働いた。事件のことがバレるたびに引っ越しを繰り返し、周囲に頭を下げ続けた。加害者家族がいかに大変な生活を送ってきたか、人には言えない苦労を重ねている。
タイムスリップしてきた心のことを初めて会った気がしないと言い、何があっても疑うことなく温かく迎えてくれた。
佐野鈴(さのすず)
佐野文吾の娘で、心の12歳上の姉。音臼小学校の5年生で、事件では同級生たちが犠牲になった。
心のことを信頼していて、同級生たちが担任の心の悪口を言ってもかばうなど、正義感のある勝気な性格。
佐野慎吾(さのしんご)
佐野文吾の息子で、心の6歳上の兄。父とプロレスごっこでふざけたり、赤ちゃんの名前を機動戦士ガンダムにしようと言ったり、明るくてお調子者。
田村由紀(たむらゆき)田村未来(たむらみく)
心の妻で、明るくて心をいつも励ましてくれる存在。教師の夢を諦めた心に「お父さんの事件と心は関係ない!心に責任はないよ!」と言う。当時の新聞や記事を時系列順にスクラップして独自に事件を調べ、文吾の冤罪を信じてノートにまとめていた。
由紀は出産で命を落としてしまい、娘だけは生き残った。未来へ進んで行けるようにと願いを込めて、心が「未来(みく)」と名付けている。
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タイムスリップで過去は変わる?テセウスの船のあらすじ
引用サイト:講談社モーニング公式サイト |
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28年前に北海道の小さな村で起きた毒物による無差別殺人事件で逮捕されたのは警察官の佐野文吾。無罪を訴え続けるものの死刑判決が確定し、刑務所に服役しています。
文吾の息子の主人公・田村心(たむらしん)は、加害者家族として社会から冷たい仕打ちを受けるなど、辛い思いをしてきました。 出産した妻が命を落とし、残された我が子だけが残された時、心は娘が自分と同じ苦しみを味わうことがないように父の冤罪を晴らそうと決意します。 事件現場の慰霊碑を訪れた心は突然白い霧に包まれて、気づいた時は事件の半年前にタイムスリップしていました。 過去を変えれば未来の出来事も変わることがわかった心は、音臼村で次々に起こる事件を未然に防ごうと奮闘しますが・・・ 果たして心は家族の幸せな未来を取り戻せるのでしょうか? |
心が父の冤罪を証明しようと立ち上がるまで
1989年6月、北海道の音臼村で毒物混入による無差別殺人事件が発生し、音臼小学校の児童や職員合わせて21名が死亡します。犯人として逮捕されたのは村の駐在所の警察官だった佐野文吾。一貫して無罪を主張していますが認められず、最高裁で死刑判決が確定し、現在は服役中です。
事件の凄惨さと警察官が逮捕されるという衝撃から、仲の良かった家族は一夜にして世間から誹謗中傷されることになり、辛い日々を過ごすことになります。母の和子は事件後に離婚して旧姓の田村を名乗り女手一つで12歳の姉と6歳の兄、そして事件後に生まれた心を苦労して育てます。
ひこ刑務所で服役中の父親に会おうと思えば会えたはずなのに、家族の誰も父の無罪を信じず、心もこれまで父親や事件の内容について詳しく知ろうとはしませんでした。
仲の良かった家族がバラバラになり・・・これが加害者家族の現実でしょうか。
2017年、心は妻の由紀と我が子の誕生を心待ちにしていました。由紀はいつも前向きで、音臼村で起こった事件を独自に調べたノートを作っていて、文吾は冤罪ではないかと心に訴えかけます。
由紀はその後、出産で命を落としてしまい娘だけが助かります。葬儀のあと由紀の両親は、犯罪者の孫になるから孫を引き取りたいと心に伝えて、音臼村の事件をセンセーショナルに書いた週刊誌の記事を突きつけます。
ひこ残された娘に自分と同じ辛い運命を背負わせないためには父の無実を証明するしかないのです。心は由紀が残したノートを頼りに初めて事件に向き合うことを決意します。
まさかのタイムスリップで事件前の音臼村へ
音臼村の小学校跡に建てられた慰霊碑を訪れた心は、急に白い霧に包まれてタイムスリップし、そこで雪おろし中に屋根から転落し、雪に埋もれてしまった小学生の女の子を救出します。近くの病院に運びますが、それが心の姉、佐野鈴だったのです。
カレンダーを見ると日付は1989年1月7日。音臼小学校の事件は6月24日なので、事件の半年前の世界に来たことを初めて知ります。心は、鈴を心配して病院に現れた文吾に初めて会い、何度もお礼を言われて戸惑います。文吾はとても人の良い、家族思いの警察官だったからです。
ひこ大人になった鈴の顔には凍傷によるアザが残っていたのに、心が早めに助けたことにより今回は軽いしもやけで済んだことで、心は過去が変わったことに気づくのでした。
「過去を変えられるならあの事件を止めることができる……」
由紀のノートには小学校の事件の前に音臼村で次々に起こっていた不可解な事件が書かれていて、心は全てがあの事件につながっているかもしれないと、一つ一つ未然に食い止めようと奮闘します。
その昔ー クレタ島から帰還した英雄・テセウスの船を後世に残すため修復作業が行われた
古くなって朽ちた部品を徐々に新しい部品に交換していくうちに当初の部品は全てなくなった
ここで矛盾(パラドックス)が生じる…
この船は最初の船と同じといえるのか?これが人間だったらどうだろう
ひこ冒頭1ページ目には「テセウスの船」というギリシャ神話のパラドックスの一つが紹介され、この物語のテーマになっていますが、最後の最後にその意味に納得できそうです。
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