何かの技術を習得するためには、投資は欠かせませんよね。
もし演技未経験で声優を目指すなら演技の勉強をするために
養成所や学校に通うことは必須ですが
どちらも入学(入所)金や授業料を支払う必要があります。
また、「声優になりたいなら東京に出るべき」と言われています。
上京をするなら、引っ越し代や毎月の生活費も考えなければなりません。
「精いっぱいがんばったけど声優に向いてなかった」ならまだ諦めもつくと思いますが
「お金が足りずに夢半ばで断念」なんて、一生の心残りになるに違いないですよね。
この記事では、学校や養成所にかかる料金や
一人暮らしを始めるにあたりどれくらいお金がかかるのかをまとめています。
貯金があることで、心に余裕を生み声優の勉強に専念できます。
どのくらい貯金をしてから、声優の勉強を始めたらよいのかの参考になれば幸いです。
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目次
貯金があると心の余裕が生まれて、勉強に専念できる
具体的に、学校や養成所などにどれくらいお金がかかるのかを確認していく前に
なぜ貯金が大切なのかを確認しましょう。
「そんなの貯金して学費を準備しておかなかったら
そもそも授業料とか払えないからでしょ?」
そんな声が聞こえた気がします。
それはその通りですが、もっと重要なことがあります。
貯金は心の余裕を生むということです。
例えば、「来月の支払いどうしよう」と考えているような状況で
声優としての勉強に専念できるわけないですよね。
自分の力を100パーセント出し切るためにも貯金は重要
前野智昭さんのインタビューがとても参考になると思ったので
少し長いですが引用します。
僕らの仕事って、ある意味“毎日、就職活動をする”みたいな感じなんですね。レギュラーとして出させていただいている作品もいつかは終わってしまうので、また新しいレギュラーをいただくために頑張っていくんですが…オーディションでいい結果が出ない時期ももちろんあります。
引用:livedoor NEWS
そういったときに、周りに引っ張られずに自分の表現を保っていられるためにも、貯金があれば「自分にはまだこれだけ蓄えがあるから大丈夫だ、落ち着こう」と余裕を持つことができるんじゃないかと思うんです。自分の表現を忘れずに貫いていこうと思える。
貯金があって心の余裕があるからこそ
オーディションでいい結果がでない時期が続いても
「自分の表現を忘れずに貫いていこうと思える」のです。
これから声優デビューを目指すにあたり
講師の方などに自分をアピールする場面は多々あります。
そんなときお金がない不安から
本来の自分の力を出し切れなかったら最悪ですよね。
声優の勉強に集中するためにも
そして重要な局面で自分の力を出し切るためにも
貯金はできる限り多くしておきましょう。
背水の陣で自分を見失わず力を出し切れる人は稀です。貯金はしっかりしましょうね。
養成所や専門学校はどれくらいお金がかかるか
では、声優になるために具体的にどれくらいお金がかかるのか見ていきましょう。
声優としてデビューするためには
「声優プロダクション」に所属する必要があります。
「声優プロダクション」に所属するための基本的なルートは以下の4つです。
養成所と専門学校の違いを簡単に説明します。
養成所も専門学校も声優の勉強をするところという点では変わりありません。
養成所は稽古場のイメージです。
週1~3回とレッスン回数が少ないため実践的なことを中心に行います。
専門学校はその名の通り学校です。
全日制のところが多く、養成所より授業回数が多いため
養成所より丁寧に声優の基礎や礼儀作法などを学べます。
では、養成所の入所金や授業料を確認していきましょう。
声優養成所の入所金や授業料について
養成所はたくさんあるので、演技未経験でも入所可能な
有名どころの養成所をピックアップしました。
養成所によってレッスン回数が違うので比較しづらいですが
どの養成所も卒業するまでに70万から100万円前後かかることがわかると思います。
授業料は、通常月払いではなく数か月から1年まとめての支払いになります。
詳しくはそれぞれの養成所の公式サイトで確認してみてくださいね。
なお、養成所に入所するためには、オーディションに合格する必要があります。
その点は注意してください。
日ナレのレッスンは週に1回だけだけど本当に声優になれるのか
たくさんの方が、日本ナレーション演技研究所の
週1コースで声優デビューしています。
ただし、レッスン以外の日にどれだけ自主的に練習するのかが大事のようです。
過去に日本ナレーション演技研究所に通われていて、現在活躍中の村瀬歩さんが
当時どんなふうにレッスンに臨んでいたか語っているインタビューがありました。
実際のレッスンの時間は週に1回、3時間ですが、それ以外の時間も大事だなと感じています。一週間自主的に練習してきて、その成果を発表するのが日ナレのレッスンだと感じていました。
「日ナレは週に1回、3時間」と聞くと短く感じますが、本当に声優になりたいのだったら、どれだけ自分で練習するかが大事だと思うんです。もちろん僕だけじゃなくて、仲間たちもがんばっていました。
引用:声優マガジン
どの養成所に通うにしても、自主練を行った成果を
発表する場であることには変わらないと思います。
ちなみに公式サイトを見ると、現在レッスン時間は2時間半で
令和4年からレッスン時間は2時間に短縮されるようです。
村瀬歩さんが通っていた時代とレッスン時間が違う点は注意してください。
レッスンの日だけ頑張ればいいじゃなくて、日々の自主練が大切です。
声優養成所の特待生制度を利用する場合は
養成所により、特待生制度を設けているところもあります。
特待生になると「授業料」や「入所金」が免除になります。
一番有名なのは、81プロデュースが毎年8月に行っている「81オーディション」です。
81オーディションに合格すると「授業料免除」で養成所に入所することができます。
2021年8月1日に行われた第15回81オーディションでは
応募人数2626人中、優秀賞が1人、特別賞が3人という結果でした。
第14回81オーディションでは、優秀賞の方のコメントに
演技シーンが含まれていましたが正直かなりレベルが高いです。
第13回81オーディションの優秀賞を獲った「山本真綺」さんは
コメントによると演技未経験だったようです。
動画をみると演技未経験とはいえ、普通の人よりかなり滑舌がよいのがわかります。
特待生は、プロダクションがお金を払ってでも欲しい人材ともいえるので
ひときわ輝く才能が必要です。
特待生は金銭面の負担は少ないですが、実際になるのはかなり難しいと思います。
声優専門学校の入学金や授業料について
次に声優専門学校の入学金や授業料を確認していきましょう。
声優専門学校は、養成所とは違い
公式サイトに入学金や授業料が明記されていることが少ないようですが
東京声優・国際アカデミーには学費の記載があったので表にまとめました。
簡易的な表なので、詳細は公式サイトを確認してください。
学年 | 入学金 | 授業料や教材費など | 卒業諸費 | 合計 |
1年次 | 18万円 | 99万円 | – | 117万円 |
2年次 | – | 107万円 | 2万円 | 109万円 |
東京声優・国際アカデミーでは卒業まで200万円超かかりますが
他の専門学校でも一般的には2年間で200万円から300万円ほどかかると言われています。
公式サイトから東京声優・国際アカデミーでは授業料を一括または半年払いができるようです。
半年払いだとしても決して安くはないので、しっかり貯金が必要です。
声優専門学校卒業後、養成所に入所するとなると
300万から400万円程度かかる計算になります。
養成所には演技未経験でも入所可能な「基礎科」があることが多いので
入りたいプロダクションがある場合は
専門学校ではなく始めから養成所を目指したほうが良いかもしれません。
なお、専門学校は養成所と違い
基本的にお金さえ払うことができれば入ることができるようです。
専門学校の選びかたについて
決して安くない専門学校。
学校選びは絶対に失敗したくないですよね。
学校選びで一番重要視したいポイントは、卒業後の実績です。
活躍している声優を輩出できている学校は講師の力量がしっかりあって
実践的なことを教えている学校ということになります。
実績のない学校は、「有名声優に会える」「有名声優が単発で講師をする」といった触れ込みで生徒集めをしようとしています。
有名声優に会いたい邪心は捨てて、実績のある学校を選択するようにしましょう。
専門学校に入ることを考えている場合は、OBをしっかりチェックしてくださいね。
その他の費用について
その他の費用として、更なるスキルアップのために「ボイストレーニング」や
「声優ワークショップ(声優としての力をつけるためのレッスン)」に
通いたくなる場合があるかもしれません。
どちらも月1万円から2万円程度かかる場合が多いようです。
また、村瀬歩さんは養成所時代自宅で練習するのは迷惑になるため
カラオケに行って練習していたそうです。
こういった出費もあるかもしれないことも加味しておいたほうがよさそうですね。
上京の費用はどれくらいか
上京に必要な資金は50万円から80万円と言われています。
大まかに以下のような費用がかかります。
引っ越し費用
引っ越しの距離によって変わりますが、一般的に3万円から10万円と言われています。
転勤や進学、就職が多くなる3月から4月の間は繁忙期となり
通常より引っ越し料金は高くなります。
家電・家具などの生活用品
一人暮らしを始めるにあたり、冷蔵庫や電子レンジ、寝具などを揃える必要があります。
どの程度揃えたいかは人それぞれですが
一般的に10万円から20万円程度かかると言われています。
賃貸物件の初期費用
賃貸物件を契約する際には、敷金・礼金などを支払う必要があります。
相場は家賃の4から6か月分です。
東京の一人暮らし(ワンルーム)の平均的な家賃は7万円程度のため
28万円から36万円程度必要になると言われています。
専門学校や養成所は都心にあることが多いため近い場所に住む場合は
家賃が8万円から10万円ほどになる場合があります。
東京23区外や東京郊外のワンルームだと家賃は平均3万円から5万円台になりますが
通学時間はできる限り短くして、勉強や自主練習の時間に充てたいですよね。
杉並区の阿佐ヶ谷というところは、新宿まで15分程度という近さでありながら
家賃平均はワンルームで7万円だそうです。
通われる養成所や学校によって穴場の地域が変わると思いますので、よく調べてみてくださいね。
初月の生活費
人によって生活スタイルはそれぞれですが
一般的には1か月の生活費は15万円程度と言われています。
引っ越してきた初月はまだアルバイトなどの収入がないと思われますので
2か月分として30万円程度用意しておいたほうが安心です。
まとめ
声優への道は決して安くありません。
貯金尽きて夢半ばで撤退なんて、一生の心残りになりますよね。
十分な貯金を行ってから、声優の勉強に打ち込みましょう。
2年間でプロになる
~声優を目指す最短ルート~